平成19年11月24日  牟岐大島 ゲンロク

 安戸池はカンパチの放流が終わり、タイとハマチでは釣趣もイマイチ。退屈そうにしていると、息子が「大島へ行こうか」と誘ってくる。「行く行く」決まるのは速い。
 いつもの吉野丸は20名余りの釣り客、連休なので普通だろう。クジは私9番、息子11番。相変わらずクジは弱い。このクジなら磯上がりは最後だろうなと息子と二人で溜息をつく。磯クジは7番、カナワへどうぞ、沖富士へどうぞ、・・・・で船内には誰もいなくなった。「ゲンロクへ行くか」とのことだが「ゲンロク」ってどこ? バッタリの向こうにある三角柱を横にしたような釣り場。ここしか空いていないので上がる事にする。屋根の上にいるような足場は不安定そのもの。息子は立って釣っているが、私は座らないとドボンと落ち込むのは間違いない。
 竿を出して支度を始めるとマスタードライの中でリール糸が絡まって出てこない。竿尻を外し直しても、糸の出が悪く原因が分からない。仕方ないから息子のインテッサを借りることにする。しばらく磯釣りをしないと思わぬトラブルに見舞われるものだ。
 今の時期には珍しくエサトリはほとんどいない。底のほうで何やら舞っているようないないような。そんなとき息子の竿が曲がる。自慢のインテッサが綺麗な弧を描くが、強烈な締め込みで跳ね上がる。ハリス1・5号が簡単に切られた。グレなら獲れるだろう、キツかなあ。針の上でスッパリと切られていた。エサトリがいないのは気持ちいい。ポイントは足元の壁際と決め、黙々とコマセを撒く。ポイントはここしかない。終日釣れば1回や2回はギューンと来るはずだ。
 底に何かいるようだが深くて分からないし、ハリス1・75号では喰ってこない。ならばと、ハリスを1・2号に変える。そしたら来た。足元のウキがすっと入る。キツみたいにスパッと消し込まない。これはグレだ。軽く竿をあおると強烈な魚信が。何しろハリスは1.2号、無理は出来ない。糸を出し竿を立てるも再び締め込まれる。周囲にはシモリ磯はないようだ。締め込まれるのを耐えていれば切られるのは間違いない。糸を出しては竿を立てる。この方がまだ取り込める可能性はある。数回の繰り返しで何とか相手を操れるようになった。ウキが見えたが魚体は見えない。タモを構えている息子が「グレだ 大きい」と叫ぶ。一度浮くが再び突っ込まれる。沖へ走ったのをチャンスに、こちらを向いたとき、一気に浮かせタモに収まる。最後はハリス1・2号だというのを忘れていた。私のマスタードライ1・2号竿なら根元から曲がって切られていただろう。息子に借りたインテッサは腰の強さを見せてくれた。極細の穂先とのバランスがいいのだろうな、1・2号ハリスが切られる気がしなかった。さすが、インテッサ、高価だけどそれだけの値打ちはある。
 まだ9時過ぎ、あと何回かアタリはあるだろうと思うが、二人ともアタリなし。午後2時を回ったころ、息子の竿が曲がる。「来た、これは大きい」、強烈な締め込み。ハリスは1.5号松田スペシャル。息子は糸を出さない主義。自慢のインテッサを水平にしてじっと耐えている。先日は60cmキツを仕留めた息子。この仕掛けと釣り方で獲れるはずだ。しかし足元に舞い込まれた瞬間竿が跳ね上がる。ハリスがザラザラになっていた。残念、仕方ないか。逃がした魚はいつもながら大きい。
 結局アタリは二人で3回あっただけ。私のグレは46cm。私は県内では42cmくらいまでしか釣ったことがないので、県内記録となるグレでした。足場の悪さに疲れたけれど、楽しい一日でした。