平成18年5月5,6日  鵜来島 

 5日 昼釣り ミツバエ高   鵜来島への再挑戦。GWにもかかわらず釣り客は18名と予想外に少ない。今回の釣行はいつもの3人と息子、それに息子の友人の計5名。強者が揃ったので誰かが60尾長を釣るだろうとの期待が大きい。宮本渡船はカメバエ回り。ミツバエ低へはT氏、O氏の二人が、息子と友人、私はミツバエ高へ。60尾長に最も近いと言われるシロイワ、スベリのすぐ近くの磯なので期待が高まる。
 程なく友人の竿が曲がる、グレかと思うが引きが違うようだ。40cm弱のシマアジ、グレより嬉しいとは友人の弁。旨そうだ。続いて2匹目、3匹目、4匹目。息子もシマアジをそして待望のグレ30cmに顔がほころぶ。私は? またもや蚊帳の外、1回強いアタリがあったが針ハズレ、多分シマアジだろう。昼釣りはこれで終了。低場の二人もシマアジ1匹ずつ、午後からの夕釣りに期待する。
 5日 夕釣り グンカン高場  さて今回のメインである夕釣りはシロイワも迷ったが、前回のリベンジとグンカン高場へ上がる。開始は午後2時、午後6時半までの4時間半にどんなドラマが待っているか、期待はいやが上にも高まる。コマセを撒くとイザギが浮いてくる。その下には、いるいるグレが、今回も50cm前後のがコマセを拾っている。
 足下で舞うグレを見つめながら黙々とコマセを打ち、仕掛けを投入するも反応はない。時間は忙しい速さで過ぎていく。午後の5時近くになり焦りが出始めたとき、息子のアテンダー2.5号が強烈に締め込まれる。息子が今日のグンカン高場のために新調した竿。そのための竿が綺麗に曲がった。M氏のビデオ通り、水平に構えて胴でしっかりと衝撃を吸収している。ハリスは3号、キーンと糸鳴りが聞こえる。「やったぜ 55尾長」息子の顔がほころぶ、55尾長間違いない。ウキが水面から上がる。前回O氏はここで切られた。友人がタモを構えたとき、どっと力が抜ける。尾に白い筋が、サンタでした。50cmサンタ、それもスレ、腹に掛かっていた。強いはずだ。力が抜けるも仕方ない。その後、息子の友人の竿が曲がる。大きいと思ったが引きは大したことはない。水面に浮いたのはグレ、40cmクチブトだが友人は強引に引き抜く。来て欲しいのは貴方ではないのよ言わんばかりに。
 夕方になると足下で舞うグレが違ってきた。一回り大きい。いよいよ60尾長の登場である。1匹2匹と見え始め、10匹あまり、いやもっと多い20匹かも、竿下でコマセを拾う。巨大グレの乱舞は壮観だ。しかし針のついたエサには喰ってこない。来い来いと言っても来ない。賢い。その時、来た、友人の竿がギューンと曲がる。あっと言う間もなく瞬時に切られる。3号道糸から切られていた。リールのドラッグを絞めすぎ、機能しなかったようだ。悔しがる友人、残念。続いて私に強烈なアタリが、メガドライ3号が真下に締め込まれるも瞬間に跳ね上がる。切られたと思ったが針ハズレだった。あーあ残念無念。知名度は全国区、ここはグンカン高場、さすがに手強い。その後はアタリ無く夕釣りを終える。息子の友人提供のシマアジの刺身の旨かったこと、ビールと酒をたらふく飲み、明日の昼釣りグンカン回りに期待を寄せぐっすりと寝込む。
 6日 昼釣り グンカン高場  鵜来島へ釣行する人のほとんどがグンカン高場への登礁を狙っている。前夜の抽選や渡船内でのジャンケンなど、なんやかんやの後、結局は泊まり客2人と一緒に私はグンカン高場に上がることになった。息子と友人はグンカン低場、ヒデバエとの水道へ、T氏O氏はシロイワへ、それぞれ超一級磯への登礁となり60尾長に期待を寄せる。
 さて、朝のグンカン高場は、コマセを撒くとイサギが浮いてくる。その下にはグレは見えない。一緒に上がった2人がそれぞれ35cmイサギを釣る。私も2匹連続で釣るが狙っているのとは違うのよ。1時間ほど過ぎたころ下で大きい魚が見え始めるがウスバハギのようだ。昨日の巨大グレは何処へ行ったの。そのうち出てくるだろうと思っていたら、出てきたのは風と波。強い南風がウネリを伴って吹いてくる。これは撤収なるかもと言っていたら船がやって来て×の合図。やっぱりな、天候だけは仕方ない。後ろ髪を引かれる思いでグンカンを後にし、鵜来島本島の北側へ転身する。ここは昼寝の場所。3人ともぐっすりと寝込んでしまった。
 シロイワの二人はキツの猛攻にあったらしくグレはゼロ。結局、今回の釣果は息子の友人が優勝で、40cmグレ1匹、40cmシマアジ4匹。息子30cmグレ1匹、シマアジ1匹。私35cmイサギ2匹。T氏、O氏はシマアジ1匹ずつ。釣果は寂しかったが楽しい鵜来島釣行でした。

平成18年4月4日  鵜来島 グンカン高場

 鵜来島のグンカン廻りは人気がある。当日の釣り客を満載した渡船が港に来て、我々泊まり客を乗せる。昨夜に磯の予約は出来ているので磯上がりの喧騒はない。シロイワ、スベリと上げてからグンカンに向かう。我々3人は高場へ、低場へは当日客5名が上がる。超有名磯に上がったT氏、O氏、私の3人は、しばし感激に浸り、おもむろに竿袋を開く。
 T氏とO氏はハリス3号、私は5号で始める。今日の私は5号ハリス以下は使用しないつもり。潮はゆっくりとした登り潮。ウキが朝日に入り眩しいので竿先でアタリをとる。10分ほどしたとき、手元にアタリが伝わり竿がしなる。キタッと思うが大物ではない。35cmグレ、挨拶代わりの1匹か。コマセが効いてくるとグレが見え始める。巨大なのはいないが40〜50cmはありそうだ。ウキの下でグレが舞う。緊張が走る瞬間、ウキがすっと入る。思わず竿をあおるとグンとした手応え、来た来た、しかしこれは43cmのクチブト、5号ハリスで余裕。T氏も竿を曲げるが40cmイサギ。普段なら大歓迎だが、今日は歓迎されない。狙ってるのは貴方と違うのよ。続いて43cmを追加するも、ドーンと竿を引ったくっていくアタリは来ない。、
 時折巨大グレの姿も見える、60は軽く超えているようだがアタリは無い。T氏ハリスを1.7号に替える。途端にブシュン、一瞬のうちに切られる。今度は2.5号に替える。ぐーんと竿が曲がり締め込まれてプツン。私の5号ハリスには反応しない。難しい釣りだが、私は5号で通すことにする。
 黙々とコマセを撒き、仕掛けを投入する作業が続く。無風快晴の天候から雲が立ち込み雨が落ち始める。海面が暗くなり、本命登場のムードが漂う。ポイントは足下、攻めるは磯際。今や巨大尾長は磯際が定説。私の隣にO氏、2つ並んだウキ、どちらかのウキが消し込む雰囲気は充分、2人の眼はウキに集中したまま緊張した時間が過ぎてゆく。そのとき、磯際で巨大なグレが見えた、ヒラリと体を交わした瞬間、O氏の竿先が強烈に締め込まれる。ついに来た、巨大グレが。最初の締め込みに耐えたO氏は機敏な動作で竿を操る。百戦錬磨の釣り師、いつもは冷静なO氏も、このときばかりは必死。根元から曲がった2.5号竿で相手の巨大さがわかる。何度かのやりとりの後ウキが水面から上がった、さすがだ、下には巨大な魚影が、60尾長間違いない。私がタモを準備したとき、竿が跳ね上がる。痛恨のバラシ、飲み込まれていたようだ、針の所で切られていた。悔しがるO氏、残念だが仕方ない。
 その後はアタリなしで納竿となる。さすがグンカン高場、巨大グレの舞、引きちぎっていくパワー、ますます60尾長への思いが強まった。しかし取り込むのは難しい。太ハリスで一回あるかないかのチャンスに賭けるか、細ハリスで何度も切られながら1匹をものにするか、迷うところだ。
 この日、同船の釣り人が水島1番で60cm尾長を釣っていた。 家本渡船HPです クリックしてみてください。久しぶりに見る60尾長は大きい。ハリス2.25号で取り込んだそうだ。すごいなあ。60尾長を目の前に見て今度こそはと闘志もわいてくるのは私だけではない。
 写真は水島本島を背景にグンカン高場でのT氏とO氏、クーラーのグレは43cm2匹、35cm1匹。下の4月3日に掲載写真は高場から見た平バエと鵜来島、低場の釣り人とヒデバエです。どこもほれぼれする磯群。今度こそはと、思う気持ちはいつものこと。しかし今回ほど再挑戦を決意した釣行も珍しい。強烈な印象を受けたグンカン高場でした。

平成18年4月3日  鵜来島 無名磯

 鵜来島への釣行は20年ほど前から途絶えていた。それには理由があった。20年前、磯はグンカン廻り。泊まり客は我々3人だけだったので、明くる日のグンカンへの登礁は約束されていた。ところが朝、港で渡船を待っていても船が来ない。予定時間より30分以上も遅れて来たが、船は空っぽ。当日の釣り客を降ろしてから舞い戻ってきたらしい。港にいなかったから出船したと言われたが、船長が泊まり客を忘れていたのではないかと思った。もちろんグンカンへは上がれなかった。それ以来、鵜来島へは釣行しなかった。ところが、1ヶ月ほど前より、同僚のT氏から話があり、鵜来島へとなりました。T氏の綿密な計画により、グンカン高場が実現しました。
 渡船は家本渡船のカメ、グンカン廻りを選ぶ。鵜来島へ釣行する人の憧れの磯、グンカン高場の人気は昔も今も変わらない。初日はカメ廻り、ここも一級磯が多く楽しみな磯群である。最初の計画では、カメ廻りでお土産のクチブトを釣っておいて、グンカン廻りで一発大物をでした。
 ところが初日は北西の強風が吹き荒れている。カメ周辺は近寄れない。磯は港の出口付近しか使えそうもない。我々3人は港出口の名もない地磯に上がる。鵜来島まで来て、と思うが仕方ない。昼寝をしながら明日のグンカン高場に期待を寄せる。
 夕食後、泊まり客の磯割りがある。「Tさん3名はグンカン高場ですね、2人の人が2組、シロイワを希望していますのでクジを引いてください」、泊まり客優先のなかでも人数が多い組を優先、すっきりした制度で気持ちいい。
 今年、鵜来島で50オーバーの尾長が一番釣れているのはシロイワかも知れないが、我々はグンカン高場を選ぶ。ここに上がれるのが釣り師の夢、釣れても釣れなくてもグンカン高場へ上がる。これは津島の佐尾山にも似ている。息子が言う「こだわり」なんだ。
   私が昔61cm尾長を釣ったのは4月4日だった。年、場所こそ違え、同日なのは何かの縁か、期待に胸を膨らませてくれる。酒の酔いも心地よく失神したように熟睡する。

平成18年2月19日  牟岐大島 マナイタの地

 昨日の息子のグレを見せつけられ、今日は牟岐の大島への単独釣行です。平成18年度の磯釣りの最初、釣れれば良し、釣れなくても潮風にあたるだけでもいい、と言うのは嘘で、好調の佐本回りへ期待を寄せたのですが、船内クジは14人中、13番。あーあ、今日は終わった。追い打ちをかけるように磯クジは1番。今の時期、ノコギリで釣れるんかいな。吉野丸はノコギリへ一人降ろしただけで表回り、佐本回りへと転身する。
 何たって後ろから2番目のクジでは好調の佐本オオバエは無理のようだ。マナイタの地が空いているのでここに上がることにする。10年ほど前に上がったことがあり、そのときはボーズだった。まあ、クジ運も悪いし、仕方ないかな。1匹くらいは釣れるだろう。
 竿はマスタードライ1.2号、ハリスは1.5号で始める。40cmグレは大丈夫だろう。釣り始めて30分くらいした時、ウキが消し込む。えーうそー本当だ、グレだよ。嬉しいなあ、30cm超のグレだ。もうこれでいいわとは思わない。まだ8時前だよ。続いてウキが消し込むも針ハズレ。マナイタの地、なかなか面白そうだ。
 しかし、その後はエサトリもいなくなり仕掛けを上げては打ち返す作業が黙々と続く。11時過ぎだろうか、磯際を流していたウキが沈む。軽く合わせると根掛かり、いや、重いが竿が上がってくる。魚が喰っている。ぐーんと沖へ走り水面でジャンプ、スズキが喰っている。大きいのは姿でわかる。さて、どうしようか。このまま引っ張って切ってしまおうか、暇だからとことん闘ってみようか。私は後者を選んだ。
 ハリス1.5号で70cmオーバーのスズキとの対決が始まりました。スズキという魚は底には潜らないし、疲れるのも速い。我慢強くやりとりをしていれば自然と浮き上がってくるのは那賀川で体験済み。しかし重量感のある引きは細い磯竿を根元から締め込む。5分くらい経過したとき携帯電話が鳴る。父からだ。「釣れるか?」「今 スズキを掛けている最中 電話切る」。また数分が過ぎたとき携帯電話が鳴る。今度は息子からだ。この忙しい時に何で掛かって来るんだ。「どこへ上がっとん 釣れるかい」「いま スズキと格闘中 また後でかけるわ」。忙しい釣りだ。
 少なくとも15分はやりとりをしていたと思う。やっと締め込むのが止まり、大きな魚体の動きが緩慢になる。タモを用意、一気に浮かせてタモに収める。川のマルスズキではメータークラスを釣ったことはあるが、磯のヒラスズキでは私の記録魚でしょう。
 正午を過ぎたことに潮が変わり下り潮になる。潮に馴染ませて流しているとウキがすーっと入る。来た、これはグレの引き、根元から曲がるマスタードライ、大きいと思った瞬間竿が跳ね上がる。ハリスの途中から切れていた。根ズレのようだ。ここでハリスを1.7号に変えようかと迷ったが、巨大スズキで切れなかった1.5号ハリスの強さを信じて、1.5号で通すことにする。そしたら続いてギューンと、今度も大きい、竿が立たない。この引きは45cmオーバーのグレだ。1.5号では無理。1.7号にしておけば良かったと後悔したとき、竿がふっと軽くなる。あーあ、逃がした魚はいつもながら大きい。納竿間際にグレを1匹釣るが、これは28cmの小型。
 スズキ74cm、グレ33cm、28cm、カワハギ28cm3匹、ゴンタ45cm1匹。バラシは3回、今日はなんやかんやで楽しめた大島磯でした。来週は宍喰へ息子に連れてってもらう予定です。

平成18年2月18日  宍喰 北割れ

 息子の釣果です。毎週のように通っている宍喰磯、今日は満足な釣りが出来たようです。いつも親切で面倒見の良い  浜部渡船 さんに感謝感激と言っていました。お世話になりました。
 「北割れの外」でハリス切れも何度かあり、43cmグレを頭に二人で10匹だったようです。写真のサンタは50cm近い、今の時期、薄造りにしてポン酢で食せば最高の味です。これを捨てる人がいるようですがもったいない。サンタは冬、大きいほど旨いのです。
 息子の釣果に誘われて、明日、大島を予約してしまった。今日の吉野丸の釣果は芳しくなかったようだが、明日は佐本回りのクジを引く予定。はたして予定通りのクジを引けるかな、引ければ二桁間違いなく釣れる。

平成18年1月29日  勝浦川 イナバ

 今日は春の様な陽気。陽気に誘われ、病み上がりの父を強引に誘って勝浦川へ、勝浦川はイナバ、今の時期、寒バイを釣るのは難しいが、この時期のハイは旨い。素焼きにしたハイを醤油に浸けるとジュッと音がする。熱いうちに口の中へ入れると藻の香りが、淡泊なハイの身が、ほろ苦い内臓が、熱く燗をした日本酒にピッタリ、もう最高、長生きの秘訣はこれだ。
 さて、長寿の薬は釣れるかな? 勝浦川に行ってみると、なんと、長柱の潜水橋は車がいっぱい。夏の盛期の鮎釣りの様相を呈している。皆さんハイ釣り。暖かい日なので考えは同じようだ。私は下流のイナバへ車を進める。イナバには誰もいない。綺麗に澄んだ冬の水は冷たそう。水中には生命反応は全くない。「釣れるんかいなあ」、まあとにかく竿を出すことにする。
 いきなり父が1匹釣り上げる。私には全くアタリ無し。父はぽつりぽつりと釣っている。私にもやっと1匹目が。大体がこの時期は釣れないとしたもの。数年前の父の入院時には投網で獲ったものだ。釣れんなあと言いながらも二人で10匹くらいになったとき、イナバに乗り込んでくる車が、「釣れるかい」と息子がやって来た。結婚間近の彼女も一緒だ。「あかん 瀬での毛針がいいかも」と、息子に毛針仕掛けを渡す。この毛針は寒バイ専用の特注品、普通に市販されている毛針より一回り小さい。その毛針で、なんと、息子は入れ食い。彼女と二人で楽しく釣っている。まあ、いい雰囲気だわな。
 エサ釣りの父と私はぽつりぽつりと釣れる程度、しかし、久しぶりのイナバは気持ちいい。夏の様相と違った冬枯れのイナバもいい。無風快晴の暖かい今日、父、私、息子、息子の婚約者、楽しく有意義な一日でした。